ドラゴンフレッシュセンター
秋田市以北の羽州街道(国道7号線)は直売所銀座。その中でも最も歴史があって、売上も大きいのがここ「ドラゴンフレッシュセンター」。
メロン産地として知られる三種町の旧八竜町で、イネの育苗ハウスやメロンのビニールハウスを有効活用するために旧JA八竜町婦人部が野菜づくりをはじめたのが1988年。ドラゴンフレッシュセンターの開業が1994年。そして1997年には売上2億円を達成していたようだ(「現代農業」1997年12月号より)。今年初めて2億5千万円を突破した。秋田県の直売所ではパイオニア。
旬の山菜。根曲がり竹はすぐ使える状態で袋詰めしてある。こういう1次加工のちょっとした手間がいい。
このコンテナは出荷者ごとになっている。売れていくと、コンテナの底に「お買い上げありがとう」の文字。
出荷者ごとになっているから、いろいろ見て回る。目的のものだけ買っておしまいにはならない。こっちの人の方がいいもの出してる!と言ったり来たり。
なので、こうやって競うようにポップをつけるとか、各人の工夫が出てくる。
乾燥野菜をこんなにたくさん出している人も。乾燥キノコもあるよ。
もちろん、みそたんぽもあるよ。
東北の他県と違って、JAが大規模直売所をつくらずにきた秋田県では、このような農家の女性が中心になって経営する直売所が多い。秋田の女性は美人なだけでなく、野菜作りも加工品作りも、そして経営も上手い。
JAの人に聞いた話では、年間30万円以上の売上を出せない人は出荷できなくなる仕組み。つまり、家庭菜園の残りをちょこっと出そうというような、名前だけ出荷者として登録をしている人はダメだということだ。最盛期になると、駐車場にはお客さんだけでなく、出荷者の農家のかあちゃんたちの車も並ぶ。かあちゃんはそこに待機して、とうちゃんが畑からとってきた野菜を受け取り、袋詰め作業して売り場に補充する。野菜についてはかあちゃんが経営主。コメの値段は下がり、その赤字をかあちゃんの野菜の売上で補填している人もいるとか。コメの値段は自分じゃ決められないけど、直売所に出す野菜の値段は農家が自分で決められる。利益率がちがう。「ここの地域の女性たちは目の輝きが違うでしょ」とJAの人も誇らしげに言っていた。秋田はコメも野菜も「秋田小町」に頼りきりだね。