産直放浪記

全国各地の直売所で見たものたち

再び、いずみの里。そして、試食会。

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2年前にも書いた「いずみの里」は実家から近いので帰省のたびに行っているのだけど、ちょうどおもしろいタイミングに出くわしたので、再度登場。

 毎月、第2土曜日は「おもてなし試食会」の日。レジ横の催事コーナーのテーブルで、いま店に並んでいる農産物を使った料理を食べさせてくれる。よく、リンゴの季節にはリンゴの試食とか、漬物コーナーには漬物の試食は置かれている。もちろんスーパーでも同じような試食はやっている。ところが、「どうぞ食べて行って」と渡されたトレーにはなんと10品目の料理がちょっとずつのせられているではないか。まるでそこが農作業後の「こびる(お茶休憩)」の場であるかのように、若い主婦からおばあちゃんまで、出された試食品を食べながらおしゃべりをしている。

くだものや加工品はそのまま「どうぞ」と差し出せばその魅力が伝わるけれど、野菜はそれをどうやって料理して食べるかが大事になる。生で食べて美味しいでしょ?というのもいいけれど、生産している農家のおかあさんたちがそれをどうやって食べているのか、こんな食べ方があったんだ、これならうちでも作れそうだからやってみようかしら…となって、購買意欲につながる。この、食材そのままではなくて、調理しているのがポイントだ。

ところが、意外とこういうことをやっている直売所にあまりお目にかかったことがない。これが料理教室とか食育イベントになると、ハードルが上がってしまう。でも、農家のおかあさんから「食べてみて」と出されて、「あら美味しいわね、どうやってつくるの?」「これは実はこうやるのよ」「ちょっと詳しくおしえてよ」…なんて、昔はそれこそ「こびる」や井戸端会議で情報交換されていたに違いない。そうやって、地域の食文化が形成されてきたんだろうと考えると、単なる試食なんだけど、すごくいいアイディアだ。個別の売り場で試食をやっているならスーパーと同じだけど、出荷者が組織的に試食会を開催している、これこそ直売所らしさじゃないか。

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のっている料理の品数や取り合わせは、ちょっとずつ違うように見えたけど…。(1)菜の花のおひたし、(2)セロリの漬物、(3)ちくわとフキ味噌、(4)イモの天ぷら、(5)煮豆、(6)キャベツのシソ和え、(7)ハクサイキムチ、(8)ダイコンの松前漬け、(9)煮卵、(10)リンゴのドーナツ。これだけの料理が…!

長野県人が大好きなちくわに、フキ味噌がよく合う。キャベツのシソ和えもさっぱりしてて美味しい。ごはんのおかずはもちろんだけど、そのまま酒のつまみにも、お茶うけ(長野県人はお茶とお茶うけが大好き)にもピッタリなので、これをそのまま弁当箱に入れて売っても十分売り物になるのに。でも、家で作ってもらうことで、野菜をここで買ってもらうことにつながる。直売所の持つ食育力だね。

 

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アイスプラントとセリ。

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ぎっしり入ったほうれん草、冬菜は、たぶんおろぬき(間引き)菜だろう。春の貴重な青物。

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ルッコラフキノトウ、東西ハーブ対決?

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かわいいコメ袋。左側の「粘土米」のネーミングがすごい。

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太帯麺というのは初めて見た。きしめんみたい。地元のうどんやさん。

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試食会は日本農業新聞にも取り上げられたようで、店内に掲示されていた。

 

前回の記事はこちら↓

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