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産直放浪記

全国各地の直売所で見たものたち

まんだらの庄

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 3つの村が合併してもまだ村のままの長野県東筑摩郡筑北村。旧坂井村の直売所。この近くに草湯温泉というクアハウス併設の温泉があって、子どもの頃に家族でよく来ていた。当時はまだなかった直売所。

地図で見るとすごい山の中にあるように見えるけど、長野市からも松本市からも上田市からもほぼ同じくらいの時間で来られる素晴らしい田舎が、ここ筑北村なのだ。

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ワラビがたくさん。

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今年は出るのが早いと言っていたコシアブラ。スーパーで買えばこの2-3倍の値段はする。

栽培ではなさそうなセリ。よく見るとワラで縛ってある。

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栽培ではなさそうなセリ。よく見ると藁で縛ってある。

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直売所併設の加工所で作られたそば。

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「やしょうま」って、こんなのだっけ…?

こういうのを見ると、筑摩郡だと気がつく。大分の「やせうま」とは全く別もの。ケバケバしい色をしているけれど、天然色素使用だそうです。

由来は?と『聞き書 長野の食事』を調べてみると、「西山の食」のページに以下のように書いてある。

 三月十五日は釈迦の涅槃会(ねはんえ)。この日に米の粉や小麦粉で細長いだんごをつくる。このだんごの、片手でにぎった形が骨張った馬の背中に似ているから「やせうま」、それがなまってやしょうまという。また、やしょうまは、馬の足をかたどったものであるともいう。

 もう一つは、お釈迦さまの妻のヤソダラ姫がお釈迦さまの臨終のときにおいしいもちをつくってあげたら、「ヤソダラ、うまかった」といわれた。これが「やしょうま」になったという。

 やしょうまは、米のある家は米の粉でつくるが、小麦粉でつくる家も多い。つくったものは仏壇に供えたり、近所へ配り歩く。

 西山とは長野市の西側の地域のことで、東筑摩郡とはやや異なるけれど、長野県内にはいたるところで「やしょうま」を作っているらしい。お釈迦様の涅槃絵に由来するなら、全国にありそうなのに、なぜか長野県でしかやらない。不思議。

 

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はさ掛け米のカキモチ。

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自家製きなこのポップの母ちゃんたちがいい。旧本城村からの出荷。

 

ブログを書くにあたって後で調べたら、旧坂井村のクアハウスは2008年に閉鎖されていた。思い出深い場所だけに、かなりショック。

3つの村が合併しても町になれない小さな自治体の、小さな直売所だけど、3村の個性がぎっしり詰まっている。温泉はあるし、青木村との境にある修那羅峠には不思議な石仏群もある(謎の民間信仰)。いちばん良い季節というのもあるけど、山は萌葱色、畑に菜の花、家々の庭にはヤマザクラ、ハナモモが咲き、素晴らしい景色。田舎の長野県の中でも、純粋な田舎を味わえる数少ない村。

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亡くなった母親が、その2か月前にぜひ見たいと連れて行った桜。むせぶような新芽の匂いのする山の雑木の中に咲く。整然と作庭された場所の桜とはまたちがう魅力が味わえる、筑北村の旧坂井村。多くの人でなくていいから、この魅力のわかる人に愛されて欲しい場所。

直売所「まんだらの庄」